診療報酬項目解説

2022年度(令和4年度)診療報酬改定(入院料関連 入院料加算関連

※前回からの追記・更新分は赤字で掲載しております。(更新日:2021年12月1日(前回更新日:2021年11月18日))

【入院料関連項目】

▶重症度、医療・看護必要度  急性期一般入院料  特定集中治療室管理料  短期滞在手術等基本料  地域包括ケア病棟

回復期リハビリテーション病棟  ▶療養病棟入院基本料  ▶障害者施設等入院基本料

通番号 解釈番号 入院料関連項目 改定する項目 改定内容 詳細 適用される時期、条件等
1 重症度、医療・看護必要度 心電図モニター 必要度項目からの削除 心電図モニターを必要としないと考えられる患者まで装着されている懸念があること。 ※ただし新型コロナの影響で十分な調査ができず、2024年改定に見送られる可能性あり。
2 重症度、医療・看護必要度 点滴ライン3本以上 評価基準の見直し 同時3本以上の患者のデータでは薬剤4剤以上の患者が多く適切であるが、反面2剤を3本以上で投与しているケースも見られた。

※ただし新型コロナの影響で十分な調査ができず、2024年改定に見送られる可能性あり。

※2剤となっているのは、請求の関係で薬剤がまとめられているケースも考えられるので再度調査が必要との指摘あり。

3 重症度、医療・看護必要度 輸血や血液製剤の管理 独立して評価
※C区分のような、新区分(D?)
輸血、血液製剤の管理を行っている患者は医師の診察頻度、看護師のケアの頻度も高い状況であり、医療・看護必要度が認められるのではないか。  
4 重症度、医療・看護必要度 手術C区分
人工心肺を用いた手術
オフポンプ手術などを評価    
5 A100 急性期一般入院料1 実績基準
(手術件数800件以上など)
新基準 急性期一般入院料1の病院の9割が、総合入院体制加算の基準である年間800件以上の手術実績をクリアしている。手術件数の多い病院では、化学療法、放射線治療、分娩も多い傾向がある。  
6 A301 特定集中治療室管理料 重症度、医療・看護必要度
B項目
B項目評価は継続するが、施設基準からは除外 A項目4点以上の患者でB項目3点未満の患者は1.7%に限られ、ほぼ全体の患者がB項目基準をクリアしている状況。満たすことが当然であり施設基準としては有効ではない。  
7 A301 特定集中治療室管理料 重症度、医療・看護必要度
B項目
B項目評価は継続するが、施設基準からは除外 以前から特定集中治療室における早期離床、早期リハビリテーション介入とは矛盾しているとの指摘あり。  
8 A301 特定集中治療室管理料 算定上限日数
延長した日数を設定する病態追加
ECMO、臓器移植の患者は上限日数を延長 ECMO到着、臓器移植の患者は、2対1以上の看護体制を必要とするため特定集中治療室での管理が適切であること。また当該患者は算定上限日数を超える患者が多いこと。  
9 A301 特定集中治療室管理料1、3 認定看護師等の配置 認定看護師の配置2名以上 コロナ禍において人工呼吸器を装着した患者に対し、自立した看護ケアを行えるスタッフが少なかったため、より専門性の高い看護師を配置する。  
10 A301 特定集中治療室管理料 バイオクリーンルーム 基準の緩和 バイオクリーンルームに入院した患者について調査を行った結果、5割がバイオクリーンルームを必要とする疾患、病態ではなかった。  
11 A301 特定集中治療室管理料 早期離床・リハビリテーション加算 加算要件を施設基準等へ組み入れる 早期リハビリテーションの有用性は学会からも示されており、取組を推進する。  
12 A400 短期滞在手術等基本料2 短期滞在手術等基本料2 手術に合わせた評価の見直し 算定回数について基本料1(日帰り)が増加傾向、一方で基本料2(1泊2日)は減少傾向となっている。基本料2について実際の在院日数と基準の1泊2日が見合っていないとの調査結果に基づき、実態に合わせた調整を行う。  
13 A400 短期滞在手術等基本料3 短期滞在手術等基本料3 在院日数設定の見直し
評価点数の見直し
基本料3(4泊5日)については、在院日数が徐々に短縮される傾向にある。これを踏まえて、対象期間の変更と対象手術の見直しを行う予定。  
14 A308-3 地域包括ケア病棟 自院一般病棟からの転棟割合 現状の6割以上からの引上げ 地域包括ケア病棟の役割は、①急性期治療を経過した患者の受入、②在宅で療養を行っていr患者等の受入れ、③在宅復帰支援となっているが、自院の一般病棟からの転棟割合が90%以上の医療機関は400床未満が多い。入院料2における200床以上での割合の引上げを行い、在宅からの受入れを強化する。 ※いまだコロナ禍であるので、今回の見直しを先送りするような意見も出されている。
15 A308 回復期リハビリテーション病棟 入院料5,6の見直し 入院料5,6に期間設定等 入院料5,6は入院料4に移行するまでの体制整備としての役割を担っているが、入院料4に移行できないまま入院料5,6の算定を継続、または他の入院料に移行が一定程度存在している。このため入院料5,6については算定期間を設け、期間を経過すると減算となる可能性がある。  
16 A308 回復期リハビリテーション病棟 適用リハの拡大 心大血管リハビリテーションの拡大 心大血管リハビリテーションの件数は年々増加している。回復期リハビリテーション病棟の適用疾患に心大血管リハビリテーションを追加する方針 ※心大血管リハビリテーションを実施するには循環器の医師が必要であり、必要となる施設要件整理が必要であるため、慎重に検討すべきとの意見もある。
17 A308 回復期リハビリテーション病棟 管理栄養士の配置(専任) 現行入院料1の基準となっている専任の管理栄養士配置を他の入院料に拡大(1~4か) 入院料1に管理栄養士が配置されていることによりFIMの改善度に寄与するエビデンスが明らかにになっている。入院料4まで拡大する可能性あり。 (入院料5,6は前項の別の見直しとなる可能性がある)  
18 A101 療養病棟入院基本料 医療区分3 中心静脈栄養の見直し 嚥下機能評価など、中心静脈栄養からの離脱の評価を追加 中心静脈栄養について国は、なるべく経口摂取への移行促進を図るよう医療保険、介護保険などで評価を行っている。中心静脈栄養を漫然と行っているのではなく嚥下評価を行いつつ、中心静脈栄養からの離脱を念頭に診療報酬を組み立てる方向性である。  
19 A101 療養病棟入院基本料 医療区分3 中心静脈栄養の見直し 医療区分2への見直し 中心静脈栄養は一般的な診療行為となっているため、医療区分3である必要があるかとの指摘もあり、見直しに着手する。  
20 A106 障害者施設等入院基本料 出来高算定の見直し 検査料等を包括化 H28診療報酬改定により、脳卒中の後遺症による重度意識障害については、療養病棟入院料の点数で算定することとなった。
現在、9割の患者は障害者施設等入院基本料適用患者であるが、一部脳卒中の患者がおり診療内容が療養病棟と同じであるため、一部認めている検査料などの出来高算定を包括化する。
 
21 A106 障害者施設等入院基本料 栄養サポートチーム加算の算定 障害者施設等入院基本料において、栄養サポートチーム加算の算定を可能とする。 障害者施設等入院基本料において、栄養サポートチームの介入により、BMI、Alb値が改善したという報告に基づき、算定を拡大する。  

入院料加算関連項目】

救急医療管理加算  ハイリスク分娩管理加算  選定療養費  外来新規  オンライン診療  診療情報提供料Ⅲ
在宅療養支援診療所の届出  継続診療加算  訪問看護情報提供療養費  訪問看護基本療養費Ⅰ  
訪問看護ステーションの理学療法士等の在り方  訪問看護ターミナル療養費  訪問看護ステーション

通番号 解釈番号 入院料加算関連項目 改定する項目 改定内容 詳細 適用される時期、条件等
  A205 救急医療管理加算 熱傷等評価の見直し JCS、Burn Indexと合わせた評価を追加 JCS0、Burn Index0の患者の一部に広範囲熱傷、準ずる状態や非開胸的心マッサージ、人工呼吸を必要とする患者が存在していた。これらの指標だけでは評価しきれないための追加措置。  
  A237 ハイリスク分娩管理加算 診療所での算定 診療所においても要件を満たせば算定可能とする。 産科の病院・診療所は減少しており、診療所での分娩も全体の約40%となっている。その中で診療所においても体制が整っており、ハイリスクを扱う施設があるため、診療所においての算定も可能とする。  
  選定療養費 紹介状を持たない新患患者への定額負担(5,000円) 現状の適用病院からの拡大 現状の適用からの拡大
現状の400床以上、地域医療支援病院に適用から、200床以上の一般病院すべてに適用を拡大する。
外来機能を「かかりつけ外来」と「医療資源を活用する外来」に分けることは医療法改正を含め決定しているが、単に医療資源を活用する外来だけ区別するのでは、機能分化とはならないため、定額負担の適用病院を拡大し対応する。  
  選定療養費 紹介状を持たない新患患者への定額負担(5,000円) 除外要件の見直し 除外要件の見直し 今後検討  
  外来新規 外来における定額負担 保険給付費(出来高算定) 保険給付費より一定額(初診の場合2,000円)を控除し、それと同等額もしくは、それ以上の金額を追加的に患者に負担いただく。

令和3年の医療法改正において、「医療資源を重点的に活用する外来(仮称)」が設定され、2022年度改定においても「かかりつけ医」の明確化が重要なテーマとなる。
認定要件については地域医療支援病院との整合性を考慮する指針が示された(11月12日(中医協)。

※新型コロナの収束が見通せない状況のため、慎重な意見もある。(その場合、遅くても2024年度には導入見込み)
  外来新規 医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関(重点外来医療機関)における「医療資源を重点的に活用する外来」

12月に基準の公表
指定要件

算定コード:D(検査)、E(画像)、J(処置)のうち地域包括診療料において包括外とされているもの(550点以上)を算定する場合
・初診のうち上記の割合●%以上
・再診のうち上記の割合●%以上

2022年度より開始する外来機能報告の整理を含む
「医療資源を活用する外来」を明確化するため、高額な機器を使用する医療行為の割合を考慮し、指定要件とする。

※医療資源を活用する外来は強制されるものではなく、あくまでも任意の届出制とする。

 
  外来新規 医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関(重点外来医療機関)における「医療資源を重点的に活用する外来」 12月に基準の公表
指定要件
地域医療支援病院と同様に専門性の高い医療資源を活用する外来からの紹介率、逆紹介率の設定
・紹介率●%
・逆紹介率●%
2022年度より開始する外来機能報告の整理を含む
「医療資源を活用する外来」と地域医療支援病院との整合性を保つ。
 
  外来新規 医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関(重点外来医療機関)における「医療資源を重点的に活用する外来」 12月に基準の公表
指定要件
夜間や休日・時間外の患者数救急受入患者数 2022年度より開始する外来機能報告の整理を含む  
  外来新規 医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関(重点外来医療機関)における「医療資源を重点的に活用する外来」 12月に基準の公表
指定要件
高額医療機器の設置状況 2022年度より開始する外来機能報告の整理を含む  
  A003 オンライン診療 特例扱いとなっている初診時のオンライン診療について オンライン診療における初診対応に対する基準を設定する。 新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、特例として初診時におけるオンライン診療を可能とする措置を取っているが、改定に合わせて初診時の基準を設定する。(初診時の対面診療とオンライン診療の区分等)
・非かかりつけ医のオンライン診療前の情報収集の義務
・初診時に基礎疾患が把握できていない患者に対し処方 できる期間は8日以内
・使用するシステムのセキュリティ確保
 
  B011 診療情報提供料Ⅲ 医療資源を活用する外来との連携 医療資源を活用する外来との連携については、診療情報提供料Ⅲで評価する。 「かかりつけ外来」との連携の明確化  
  在宅療養支援診療所の届出 24時間の往診体制の確保 地域の在宅連携構築と24時間体制の緩和

今後も死亡者は増加し、2015年と2045年の死亡者数の差は39万人/年とされており、在宅医療の整備が近々の課題となっている中で、在宅療養支援診療所については、ここ数年届出件数に関し横ばいとなっている。

届出を行わない理由として、24時間体制が挙げられており、中医協分科会でもこの点の緩和が必要とされた。

 
  C002-9 継続診療加算 24時間の連絡・往診体制構築に向けた協力医療機関との連携 24時間の協力医療機関との連携について24時間の緩和  
  区分03 訪問看護情報提供療養費 情報提供先の拡大 高等学校、指定障害児相談支援事業所への提供も算定可能とする。 訪問看護について、15歳未満が増えており平成23年と令和元年の比較では利用者数が2.7倍に達している。そのなかで高等学校、指定障害児相談支援事業所は算定先に含まれていなかったため拡大する。  
  区分01 1 訪問看護基本療養費Ⅰ 専門・認定看護師の単独訪問においての算定 専門的ケアに関して、専門・認定看護師の単独訪問を行った場合でも算定可能とする。 現在、訪問看護基本療養費Ⅰにおいて専門、認定看護師が他の訪問看護STと同行して訪問看護を行った場合、訪問看護基本療養費Ⅰのハ(12,850円)が算定できるが単独で行った場合、通常の訪問看護療養費を算定することとなっている。専門・認定看護師による退院後の褥瘡ケアや専門的ケアが予後に対し、かなり効果的であることなどのエビデンスに基づくもの。  
  区分01 1 訪問看護基本療養費Ⅰ 特定行為研修修了者の単独訪問においての算定 専門的ケアに関して、特定行為研修修了者の単独訪問を行った場合でも算定可能とする。 現在、訪問看護基本療養費Ⅰにおいて特定行為研修修了者の区分が無く、通常の訪問看護療養費の算定となっている。専門・認定看護師の褥瘡ケアに対する単独訪問算定に伴い、特定行為研修修了者についても同様とする。  
  区分01 1 訪問看護ステーションの理学療法士等の在り方 訪問看護指示書の変更 令和3年度介護報酬改定と同様に訪問看護指示書にリハの回数等詳細の掲載を求める。 訪問看護ステーションは年次増加傾向にあり、理学療法士を含むステーションも一時に比べれば増加は鈍化傾向にあるが増え続けている。理学療法士等の役割について明確でないのではないかとの指摘もあり、令和2年改定では理学療法士等の訪問は一律5,550円となった。しかし未だに理学療法士等の訪問時における役割が不明確との指摘から、介護報酬改定と同様の措置を追加することとなった。  
  区分05 訪問看護ターミナルケア療養費 退院当日の算定について 退院当日でも算定可能とする。 現在、退院当日であってもケアの必要な患者がいるが、退院当日の訪問は基本療養費について算定不可となっている。そのためターミナル加算についても亡くなる14日前と亡くなった日に算定できるが、退院直後の亡くなった場合、ターミナル加算は算定できない状況にあることに対し、要件を見直し、算定可能とする。  
  訪問看護ステーション 感染対策等BCP(事業継続計画書) 感染対策等BCP(事業継続計画書)の策定の義務付け 感染症の発生、災害の発生等に際しての対応について、現状、介護施設に義務付けを行っている部分の適用拡大